”ぴったり合う” 気持の良い言葉ですね。
入れ歯では、歯ぐきに隙間なくくっついているだけがぴったりではないですよね。
お顔にぴったり
笑顔にぴったり
歯の大きさがぴったり
入れ歯の大きさがぴったり
高さがぴったり、等
それら全てがぴったりしてこそ、ぴったり合う入れ歯だと言えます。
ではぴったり合う入れ歯の作り方を順にお話しましょう。
まず一番大切なカウンセリングから”ぴったり”は始まります。
入れ歯を入れるのが初めてでない方には、以前の入れ歯がどんな具合だったのかをお聞きします。
よく噛むことができたのか?
外れ易くはなかったのか?
痛みはなかったのか?
その他の問題点をお聞きしていきます。
もし、あなたが、歯科医院に行くと、思っていることを伝えるのが苦手なタイプだとしたら予め、家でこれらのことをまとめて書いて行くといいかもしれません。
後で、こんな事も、あんな事も言っておけばよかったなぁと後悔しないようにです。
そして入れ歯を見せていただき、あなたのお話と照らし合わせていきます。
入れ歯には大体の基本的な形というものがあります。
洋服のスーツにはスーツの形というものがありますでしょう!
スーツが浴衣の形をしていることはありません。
ですので、以前の入れ歯を拝見すると、大体ですがどんな入れ歯生活をしていたのかは分かります。
その後は、お口の中を拝見致します。
残っている歯の状態は?
歯ぐき・骨の減り具合はどうだろう?
お口の中の筋肉や小帯と呼ばれるスジの張り具合はどうだろう?
など、触診といい、直接触らせて頂くのが一番です。
そしてレントゲンを撮らせて頂き、残っている歯がどの位健康かを診る歯周病の検査(歯ぐき・骨の検査)をします。
その後、現在の状態を立体的に記録する為の模型の型をとり、模型を作ります。
そして最後から2番目に、私がカウンセリングの中で一番大切にしていることであり、一番楽しみにしているお話が有ります。
それは
新しい入れ歯を作ったら何が一番食べたいか?
言い方を変えると、
何を食べられるようになりたいか?
をお聞きすることです。
このお話を聞くのが大好きで、よーし、頑張って夢の実現に向けてがんばるぞー、と闘志が沸き立つ瞬間でもあります。
例えば、ある方は、趣味の集まりで、お仲間とコース料理のお食事会に行かれると、その中の肉料理が苦手で、最近ではお誘いにも気が乗らない・・・
だから”ステーキを気兼ねなしに食べたい”と、お顔には笑顔がいっぱいでした。
この方には、ステーキに強い入れ歯をお作り致しました。
夢が叶ったと、大変喜んで頂きました。
つまり、新しい入れ歯で食べたいもののレベルの目標をここで設定します。
そしてお聞きしたこと全てと、
お口の中を検査させて頂いたデータを参考に
治療計画
治療目標
治療期間
治療費見積もり
等をお伝えさせて頂きます。
その後質問をお受けし治療をお受けになるか、否かをご判断いただきます。
その場でなくても、もちろん結構です。
納得、決断されれば治療のスタートです。
治療のスタートは前処置から始まります。
また、前処置では再度、残っている歯の処置の確認と決定もしていきます。
前処置とは、家を建てる前の地ならしのようなものです。
家を建てるときに、荒れた空き地に何もせずにいきなり家を立て始めることはありません。
それと同様に、
ぐらついている歯があれば残すことができるだろうか?
残すと後であなたが、かえって困ったことにならないだろうか? などを吟味し、
残す場合でも、長く持つように隣の歯と連結して強固にする、などの処置をします。
抜くか抜かないか、だけを考えるのではなく、目的が振れないことが大切です。
よく噛めること、
総合的にあなたに利益が一番多いこと、
そしてあなたの精神的なストレスが少ないこと
を合わせて考えあなたと最高の着地点を決めていきます。
実はこれがあなたにとって、結構悩むところだと思うのです。
(良く分かります、歯科医師の私でも悩みます。)
歯は残したいけど残すと噛む力が弱くなってしまう、
近い将来、追加の治療をする可能性がでてくる、
抜いたほうがいいのは分かっているが、歯を抜くのは命が削られるくらい辛い、
と悩まれて、どうしても結論が出せません、という方がいらっしゃいます。
そういう方にはまず、歯を抜かずに最終的な入れ歯の前に、治療を目的とした入れ歯を試しに使って頂くと皆さん、自然にご自身で答えが出るようです。
次回は、つづきの、治療を目的とした義歯のお話から致します。
入れ歯の装着感に違和感を感じる方は専門医に診てもらいましょう。
栃木県で唯一の入れ歯専門歯科 佐野入れ歯専門外来へお気軽にご相談ください。