仮歯(治療義歯)の最も大切な目的は
「リハビリ」です。
仮歯とは、本義歯が入る前の一定期間入れておく入れ歯のことで、
別名、「治療用義歯」「リハビリ治療用義歯」とも言われます。
「噛めない」時の2つの問題点
①入れ歯に問題がある
②あなたの顎の関節、噛むための筋肉に問題がある。
この②に対してリハビリ治療をすることなく、いきなり本義歯を作ってしまうと
どんなに高額な入れ歯でも、本義歯製作後に
・食べられない
・痛くて噛めない
・食べると外れる
というような症状が出てしまいます。
どんなリハビリが必要か?
①噛み合わせの狂いを治すリハビリが必要
実は「噛み合わせとは、まっすぐ噛んだ時に1ミリもずれずに何度でも同じところで噛めることが正常」という事実を知る人は多くいません。
・まっすぐ噛んでもらうと、噛む度に位置が微妙にズレる。
・「どこで噛んだらいいのかわからない」
・効率的に力が入る位置が分からなくなってしまっている。
②顎関節、噛む筋肉の動きをを治すリハビリが必要
骨折して一カ月も病院のベットに寝たきりになってしまったら、その後すぐに
歩けるでしょうか?股関節・膝関節は硬くなってしまい、滑らかに動かなくなり、
また筋力も低下しリハビリが必要になります。
噛むことと歩くことは似ています!
顎関節と噛む筋肉のリハビリの目的
・両頬の顎関節の硬直を取りスムーズに動くようにする。
・咬筋、その他何種類もの噛むための筋肉の「筋力」を回復させる。
しばらく、しっかり噛むことが出来ずに軟らかいものばかり食べていると、
顎関節は硬くなり、スムーズに動かなくなり噛むための筋肉は、骨折の時と同様に
痩せてしまっています。
噛む力は、正常なら自分の体重分ぐらいの力が出ます。体重60キロの人なら
その体重で食べ物を踏んだのと同じ位あります。
まとめ
・噛めない時には、入れ歯とからだの両方に原因がある場合が多い。
・仮歯(治療義歯)の最も大切な目的は、リハビリ治療をすることである。
・リハビリ治療の目的は
硬くなって動きが悪くなってしまった顎関節を、少しずつ柔らかく
して大きく滑らかに動くようにし、筋力を回復することにより狂った噛み合
わせを修正することです。
・リハビリ治療せずに本義歯を入れると
・食べられない
・痛くて噛めない
・食べると外れる
などの症状が後から出てしまうことがある。
一般に、入れ歯でお悩みの方は、入れ歯を新しく作りさえすれば悩みが解消すると
考えがちです。しかし「食べれない」の悩みはそう簡単には解消されません。
長く「食べれない」という状態を過ごしてきた方は、顎関節、噛む筋肉にも問題が
起きてしまっています。
その場合、本義歯を入れてもすぐに気持ちよく食べることはできません。
しかし、適切な仮歯(治療義歯)で焦らず、ゆっくり、調整を加えながらリハビリを
すると、顎関節、噛むための筋肉は徐々に回復し、食べれるようになって
いきます。
適切な仮歯(治療義歯)は、悩まない本義歯を入れるためには
なくてはならない入れ歯です。