カウンセリング時に「入れ歯の噛み合わせが良くないんです」とよくお聞きします。今回は入れ歯の噛み合わせの違和感について、その対処法も合わせて解説したいと思います。
部分入れ歯の嚙み合わせについての予備知識
1、入れ歯を入れている方で、噛み合わせが悪いと感じる方は総入れ歯の方もいますが、多くは部分入れ歯の方です。
2、部分入れ歯の噛み合わせは難しい！
理由①歯ぐきの上に乗っている入れ歯と歯槽骨に埋まっている歯では脳に伝わる感覚が違う
②噛んだ時の入れ歯の沈下量と天然歯の沈下量の差で同じ咬合圧を出し辛い
③歯ぐきの性質・状態は、厚みや柔らかさなど変化が少ない人〜多い人まで様々
3、違和感を感じた噛み合わせは歯科医師による調整で解決できる
あなたの噛み合わせの違和感はどのパターン？
1、噛み合わせが弱く、噛んでない気がする
2、噛み合わせが強くて歯茎が痛い
3、調子の良い日と悪い日がある
4、よく噛めない
嚙み合わせが悪いとどのような問題が起こるのか
部分入れ歯の場合
1、残っている天然歯に負担がかかり、それらが弱ってしまう
2、食べ物をよく咀嚼できないので食事の満足度が低下する。
3、胃に負担がかかる
4、歯ぐきに痛みや炎症等の症状が出る
5、顎関節に支障をきたす
6、その他の疾患の原因になり得る
嚙み合わせを改善するためにできること
唯一自宅でできる嚙み合わせの改善方法
日々生活していると、その方の噛み合わせの習慣、癖というものがついていきます。その習慣、癖は必ずしも良いものがつく訳ではありません。特に入れ歯の方に不利に働く噛み合わせの悪い習慣、癖は “前噛み“ です。前噛みの癖は奥歯の噛み合わせを壊し、良く食べられないということに繋がります。
この前噛みの癖のパターンのみ、ご自身で噛み合わせの改善が唯一可能です。その方法は “前噛みを止める“ です。前歯の多用を止め、奥歯でしっかり噛む意識を持って食べることが重要です。
歯科医師による入れ歯の調整
まずは歯科医師に噛み合わせの違和感の改善を依頼しましょう。歯科医師はその噛み合わせの違和感を診断し原因にあった治療を行います。細かい手技はここでは説明しませんが、数ミクロンの入れ歯の高さの増減を、削るのか、足すのかも含め、噛み合わせ調整をします。
義歯専門医院のメリットとは？
噛み合わせの問題は非常に微妙で治療自体の難易度が高いと思って下さい。保険治療では簡単に済ませてしまうことがありますが、実は大変奥が深く、入れ歯専門の歯科医院では数ミクロンの増減を慎重に行い、その方の日常の習慣・癖も加味し、時間をかけ慎重に調整をしていきます。
保険治療中心の歯科医院では微妙な噛み合わせの治療は敬遠されがちです。入れ歯専門の歯科医院を是非お勧めいたします。
まとめ
入れ歯の噛み合わせの問題は非常にデリケートで日々変化します。皆さんも朝起きて、最初に入れ歯を入れた時の感触と１０分経って馴染んだ時の感触の違いを経験されていると思います。実はそのくらい短時間でも歯ぐきは変化します。
歯ぐきの変化の中で、どの状態、どの感触、どの食べ方、どの動かし方をしている時を基準にするかによって調整の仕方は変わってきます。是非一度入れ歯専門の歯科医院の噛み合わせ調整を体験してみて下さい。今までとは違った世界が体感できるかもしれません、お勧めです。