入れ歯を初めて入れようとしている時って、とても不安ですよね?
「入れる前に思っていたより全然大丈夫だよ!」という方から「もうだめ、5分も入れていられない!」という方まで様々です。
今回は、この「もうだめ、5分も入れていられない!」という方がどうしてそうなるのか。また、どう対処したら、せっかく作った入れ歯が無駄にならないかお話しします。
入れ歯でとても重宝するお口の中の鈍感力
お口の中の感覚は十人十色、一人ひとり全然違います。
もともと髪の毛一本、お口の中に入ってもすぐわかるくらい繊細なところなので、それよりもはるかに大きな入れ歯が入って気持ち悪くないはずがありません。それでも、気持ち悪くないという許容範囲の広い方は ”鈍感力” がある方です。
“鈍感” というと、悪くとらえられることが多いですが、入れ歯では非常に重宝するもって生まれた感覚です。では、この”鈍感力”を持ち合わせていない人は、どうすれば良いか?入れ歯は絶望的なのか?そんなことはありません。
気持ち悪い!あなたのお口の中は“繊細“なタイプです
入れ歯が気持ち悪い(違和感が強い)理由を考えて見ましょう
1、新しく作った入れ歯に慣れていなくて気持ちが悪い
“鈍感力” がある方でも初めての入れ歯は誰でも気持ち悪いものです。入れ歯の大きさ(どれだけ歯を抜いて補ったかによって入れ歯の大きさは変わってきます)によりますが、早い方で3日で慣れます。
慣れるのが遅い人で3週間前後でほとんどの方は慣れます、心配はいりません!
最初の入れ歯の気持ち悪さの推移
入れ歯を入れて
1週目:気持ち悪くてしょうがない→一日少しの時間から焦らず慣らしていく
2週目:入れても気持ち悪さが残るが、入れ歯を外してもその入れ歯が無くなった空間に違和感を感じる。
3週目:だいぶ慣れてきて入れ歯を入れていられるようになる。
気持ち悪さ(違和感)の変遷はこんな感じです(もちろん個人差があります)
お口の中が繊細で慣れづらい
繊細な方でも3週間前後で慣れてきます。
慣れを早めるためにはお口周りの筋肉の運動をします。例えば、歌を歌う、おしゃべりなどがそれになります。
やや興奮気味の場面を作り、その中で過ごす時間を多く持つと慣れるのも早いです。
例えば上記の歌を歌うのを、カラオケに行くとかですね。
つまりお口の中に、入れ歯を感じる感覚の集中力が働かない場面で過ごすことが、慣れを加速させるコツかもしれません。
3、入れ歯に問題があり、慣れだけでは超えられない
これが最大の問題です。慣れだけでは超えられない気持ち悪さが出てしまう入れ歯の理由
①保険で作られる入れ歯の多くは、気持ち悪さが出ないようには作られていない。
保険の入れ歯は、どうしても低い治療費で抑えられているので、流れ作業になり、お一人お一人の入れ歯に細心の注意を払って作られていないことが多いのが現実です、全てではありませんが。
②丈夫さを出すために過剰に厚くなっている
金属床入れ歯(※)を除いてプラスティックのようなレジンという物質で作られている入れ歯は、どうしてもある一定以上の厚みがないと、強度が保てません。
しかし、強度を保とうとするがあまり、過剰に厚い入れ歯になっていることがよくあります。やはり保険の入れ歯に多く、また保険外の入れ歯でも、そこに、歯科医師、歯科技工士が重きを置かなければ、入れ歯は厚くなってしまい、気持ち悪さにつながってしまいます。
※薄くて、強度を出すためにピンク色の床と呼ばれるところを金属に置き換えた入れ歯
③入れ歯の外形に不備がある
保険の入れ歯でも自費の入れ歯でも、入れ歯の外形を決める設計の段階で、少しでも気持ち悪くないように、違和感が少なくなるようにという心配りが欠けてしまった結果により起こります。
慣れだけでは超えられない、気持ち悪さが出てしまう入れ歯の対処法
1、はっきり、「気持ちが悪くて入れていられない」旨を歯科医師に伝え、調整をしてもら。
2、①調整で改善することがなければ保険診療外(自費診療)の入れ歯を希望し新製。
②入れ歯専門歯科医院を探し、カウンセリングを受け、納得がいけば入れ歯を新製。
3、インプラントを検討する。
現実的なお話として、上記のような方法になると思います。
まとめ
1、お口の中に鈍感力がある方で3日、繊細で慣れづらい方でも3週間前後でほとんどの人が慣れますので心配いりません。
2、慣れだけでは超えられない入れ歯もあります。その場合は入れ歯治療を行った歯科医師に相談し、改善の依頼をしましょう。
3、改善されることがなければ、入れ歯専門医を受診し、カウンセリングを受ける。
4、3でも改善されることがなければインプラントを検討する。
この順序で行なって見て下さい、必ず快適な生活がやってきます、お大事になさってください。