上の入れ歯が「急に緩くなってきたな〜」とか「前歯が斜めになってきた」とか感じることがあります。今回は上の入れ歯が合わないと感じる時の対処法と注意点をお話しします。
上の入れ歯が合わないと感じる種類
1、ゆるい、浮く、落ちる
2、前歯が曲がる
3、気持ち悪い
原因
1、ゆるい、浮く、落ちる
初めは良い状態であったが途中からこのような状態になった時は、初めはゆるい状態になり、それが進んで浮
く、落ちるとなっていくのが普通です。
原因
第1位:歯ぐきの変化、歯ぐきの下の骨量の減少です。歯ぐきは年々、僅かですが変化していってしまいます。
第2位:入れ歯の破損が考えられます。破折したりヒビが入っただけでも症状は出始めます。
第3位:部分入れ歯で、残存歯の状態の変化が入れ歯のゆるい、浮く、落ちるに直結します。残存歯を抜くと噛み合わせが変わることがあり、また入れ歯を押さえているバネに残存歯の変化の影響が出ればやはり緩くなったり、落ちたりします。
2、前歯が曲がる
前歯が入れ歯の人工歯の場合、まっすぐ下に向かって設定してあった前歯が、曲がってしまい審美性を落とす
ことがあります。歯ぐきと噛み合わせに変化が起きている場合が考えられます。噛み合わせに癖が出てその癖により歯ぐきに異常な圧力がかかり歯ぐきに変化が生じ入れ歯が傾いてしまうことがあります。
またその逆も考えられます。歯ぐきが減り噛み癖が出て入れ歯が傾いてしまう場合です。因みにヒビや破損がなければ、人工歯自体が変形することはありません。
3、気持ち悪い
入れ歯が気持ち悪くなってきても、人は「合わなくなってきた」と感じます。元々入れ歯を作った時から気持ち悪いのを我慢して使用して慣れたか、入れ歯に気持ち悪くなる要素があるデザインだった可能性があります。また、体調によっても気持ち悪いと感じる日があるという方もいます。
対処法
1、ゆるい、浮く、落ちる
応急処置としては、入れ歯の安定剤、接着材の使用が便利でしょう。お使いになる時のコツは、安定剤、接着剤を付けすぎないことです。付けすぎると入れ歯からはみ出して気持ち悪いので、米粒大の大きさで総入れ歯なら3〜4箇所つければ十分です。また効果が落ちてきますので、効果が落ちたらこまめな補充も効果的です。
根本的な解決方法は歯科医師の診断・治療をお勧めします。まずは作り直すのではなく改善のための修理ををしてもらいましょう。必ず修理の効果を確認してから、新しい入れ歯の作成に入るとより良い入れ歯が出来上がります。
2、前歯が曲がる
前歯が曲がっている程度の問題ですが、僅かならどうお口を動かしたら曲がるかを確認してみて下さい。曲がってしまう動かし方を注意すれば避けられるのかを見極め、ダメならそれは歯科医師しか解決できない問題ですので相談してみましょう。
3、気持ち悪い
気持ち悪いのはストレスに直結します。この違和感は我慢せず、歯科医師に相談することを強くお勧めしま
す。
注意点
安定剤、接着剤の使用で一時的に症状が治ったとしても、長期間の使用はお勧めできません。原因が拡大し根本的に直そうとしたときに初めてその重大性を歯科医師から伝えられることも少なくないからです。原因が拡大すれば、それを治療によって治したとしても、満足のいかない結果にしかならないことがあるからです。初期症状の時点での治療が重要です。
セカンドオピニオンを躊躇しないでください
入れ歯に問題が生じた時、通常入れ歯を作成した歯科医院に相談されると思います。それは最初の行動として正しいと思います。しかし相談をしても問題の解決に至らなかったときが問題です。
次の行動として、諦めてしまうか、新しく作り直しましょうと勧められるがままに作り変えていませんか?どちらも間違っています。入れ歯に問題が出た時に修理して問題が解決して初めて、新しく入れ歯を作っても大丈夫という保証が生まれます。
きつい話ですが、修理にて解決できなければ何度入れ歯を作り直しても一緒です。これは保険の入れ歯に問題が出て自費の入れ歯なら問題が解決できますという歯科医師の常套文句に通ずる場合がありますので注意が必要です。その場合は是非、面倒でしょうが他院にてセカンドオピニオンをお取りください。それがお金と時間の無駄を省くことになります。
まとめ
症状が出たら早めの歯科医師への相談がお勧めです。相談後の治療は、諦めたりすぐ違う入れ歯に作り直したりせずに問題の入れ歯をまず修理できないか?尋ねてみましょう。ツギハギになっても問題が解決したことを確認してそれを参考に新しい入れ歯をお作りになることをお勧めします。そうでなければ躊躇せず、他院にてセカンドオピニオンを取られることをお勧めします。
入れ歯・義歯専門歯科 Adii Dental Clinic